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2019年8月、オランダのデン・ハーグから、アゼルバイジャンのバクーにお引越ししました。

日本から海外に引っ越す時、また海外の別の国に引っ越しする時、私は必要最低限の日本食材を持参することにしています。まだ引越し先でどのような食材が手に入るかわからない時に、「かさばらず」に手荷物で持って行きやすく、「香りがよくて」「日本独自の味わいが出せる」食材はとても重宝します。野菜やお肉などは現地の新鮮なものをふんだんに使って、調味料や香りの食材を工夫して、和食らしさを出していきます。

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醤油は現地調達、味噌を持参



以前、海外で日本の調味料を揃えるこつと、おいしく活用する方法を記事にまとめましたが、醤油はブランドを選ばなければ、大概どこの国のスーパーマーケットでも手に入るようになりました。しかし、味噌は日本食材店やアジア食材店の少ないアゼルバイジャンのような国では、なかなか入手が難しいようです。(インスタントの味噌汁パックはよく見かけます。)ケニアでも、日本食レストランに併設された小さな食材店で、自家製味噌の小さなパックを買って大切に使っていました。けれども、ヨーグルトメーカーを使えば、味噌や麹は意外と気軽で安価に手作りができます。のちのち「手前味噌」を始めるにしても、中華やアジア食材店のない土地に赴く場合は、スタートアップ期用の少量の味噌を持参すると安心です。

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香りの食材で、普段の食材を和風に変える

海苔・青のり
近頃はSUSHIブームのおかげで、海苔もずいぶん市民権を得てきました。海苔巻きやおにぎりにするのはもちろん、ちぎってつくねのたねに加えたり、サラダに混ぜたり、おひたしと和えたりと、海苔は和食らしい「香り」を加えてくれる便利なアイテムです。そんな「香り使い」には、海外のスーパーなどで売っている安価な海苔でも大丈夫ですが、おすすめなのが「青のり」。少量で(かさばらずに造りにも楽ちん)、ぱっと磯の香りをきれいな色を楽しめます。おべんとうのごはんにふりかけたり、豆腐ハンバーグにまぶしたり、塩味のポテトチップスに少しふりかけて、のり塩味のおつまみをしてお出ししたり、と重宝します。

また、おにぎりや海苔巻きには口溶けがよくて香りの良い上質な海苔がおいしいもの。日本に帰国したときは、必ず良い海苔も買います。

わさび
わさびもずいぶんとポピュラーな食材となりましたが、チューブの「本わさび」やすりおろしタイプのものや、粉わさび(安価なチューブのものよりも、香りがよくて、毎回新鮮な辛味を楽しめるので好きです)などより香りの良いものを持参すると、醤油と一緒に、ステーキやローストビーフ、ブッラータやモッツアレラチーズに添えたり、粉わさびを溶いてわさびマヨネーズやドレッシングを作ったり、和食らしい香りと辛味のアクセントになります。

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ゆかり(ふりかけ)
これも手軽に持ち運べて、少量で香りが立つのでおすすめの携行食材です。ふりかけとして、ごはんやおにぎりはもちろん、きゅうりやラディッシュを和えて漬物風にしたり、ドレッシングに加えたりと、ちょっと紫蘇の風味を加えたい時にとても便利です。

山椒
日本でも鰻を食べる時くらいにしか使わない、という方も多いと思いますが、これも軽いので、一壜持参するととても便利です。まずは、肉料理に。甘辛のテリヤキソース味に山椒をひとふりすると、ぐっと洗練された和の香りが引き立ちます。または、山椒塩を手羽先や鶏もも肉にまぶしてマリネして、オーブンやバーベキューで焼くだけでも、和風の一品なります。この山椒塩は、もちろん天ぷらにも。鶏の胸肉やささみの天ぷらに合います。おすすめは味噌汁。特に赤だしとの相性がよく、ひとふりでぐっと華やかで清々しい香りが広がります。

その他、こんなアイディアも

Twitterのお友達、ドイツにお住まいのtommieさんから、「柚子胡椒」と「乾燥わかめ」というお声も。柚子胡椒は鍋物や麺類の薬味としてだけでなく、バーベキューの時のマリネードやサラダドレッシングにもいいですよね。私はライムや地元の柑橘類と青唐辛子で自作することもあります。乾燥わかめ、ひじき、昆布などの乾物も重宝しますね。



Twitterでいつも異国情緒溢れるおいしそうな中央アジアのお料理を紹介なさっているEURASIA FOOD MANIAさんからも、こんなアイディアが。確かに硬水の地域では、日本のお出汁や緑茶の風味が変わってしまいますよね。ミネラル分が凝固するのか、白くふわふわとしたかすのようなものが浮いてしまったり。(軟水のVolvicやSPAなどのミネラルウォーターを使うのも一案ですが)そんな時に便利な干し帆立の貝柱、ちょっと高価なので、私は茶碗蒸しを作る時や炊き込みご飯の時に活用しています。または、帆立の貝柱の缶詰も便利です。お出汁用であれば、ほぐし身のもので十分。缶汁ごとスープや茶碗蒸しにしたり、絹ごし豆腐の上にあけて、針生姜と塩ひとつまみ、ごま油少しを垂らして蒸しあげた温かなお料理もとてもおいしいです。